シンクライアントでセキュリティ強化とコスト削減を実現
企業の業務システムの操作の全てがパソコンを前提に構築されるようになり、ITインフラとして不可欠な存在となっていますが、その役割に比例して利用時における煩雑さも増してきています。
導入設置、資産管理、ヘルプデスク、認証、ユーザーの監査、故障対応から廃棄処理まで、サイクル全体への対応が迫られています。数千台から1万台を越すパソコンを管理する企業の負担は甚大です。
パソコンを保有する際のTCO(総所有コスト)は想像以上に大きく、ITインフラの根幹を占めるクライアント環境がどうあるべきなのか、その方向性が問われています。
また、ユーザーの過失か、意図的な行為かを問わず、パソコンに端を発する情報漏えい事件は後を絶ちません。ノートパソコンの社外への持ち出し禁止を掲げる企業も増えています。
そこで注目されているのが、シンクライアントです。パソコン端末はハードディスクなどの記憶装置を持たないため、パソコンからデータとアプリケーションを分離することができます。別の場所にあるサーバーでデータを一元管理するため、セキュリティ対策に有効なだけでなく、運用・管理プロセスの標準化、電力消費量と発熱量削減、保守サポートの作業工数の削減などTCO削減が期待できます。
ネットワークの広帯域化と国内外のベンダーによる相次ぐ低価格端末のリリースが、シンクライアントの普及に弾みをつけており、国内企業における導入比率は2008年に30%を超えると予測されています。ブレード・サーバーやブレードPCといった製品や、運用管理のためのソフトウェアが充実してきたことも、後押しとなっています。
シンクライアントの効果(メリット)
TCO(総所有コスト)削減効果
集中管理するため台数が増えても管理コストはほとんど増加しないため、導入規模が大きいほど、効果が大きくなります。
PC持ち出し、盗難などによる情報漏洩の防止
ハードディスク等の記憶装置が存在しないため、盗難や不用意な持ち出しに対する物理的セキュリティが格段に向上します。
USB型シンクライアントで利便性も向上
出張時にPCは必要ありませんし、外出先で資料やメールを確認したくなっても、出先のPCで簡単・安全に対応できます。
メリットを生かせる業務や部門は?
TCOの低さとセキュリティの高さの2点がクライアントに求められるコールセンターや受付などに適しています。
シンクライアント導入の手順
調査企画段階
目的は売り上げ拡大か、コスト削減か、セキュリティ対策かを絞っておくことができれば、最適な設計が可能です。
設計段階
対象業務と利用者の範囲から業務要件を定め、この分野には端末が望ましいかを選択します。
導入作業段階
物理的な端末配置を決定し、配線工事を含めた作業計画を作成、工事手配の準備をします。
運用段階
応答速度が不十分といった現象に対して、各セクションでパフォーマンスの測定を行い、設計段階との差を分析します。
シンクライアントの実装方式
ネットワークブート方式
クライアントを使用するために必要となるOSやアプリケーションを、ネットワーク経由で起動させる方式です。
画面転送方式
既存のPCが実行してきた演算処理を、シンクライアントとネットワークで接続されたサーバーやブレードPCで処理します。
サーバーベース方式
基本的にサーバーとシンクライアントで構成し、複数のシンクライアントがサーバーの資源を共有する形態をとります。
仮想PC方式
専用のソフトを使ってサーバー上に仮想的に複数のパソコンを形成し、仮想パソコン上でアプリケーションを動作させます。
ブレードPC方式
OSやアプリケーション、各種ドライバなどが通常のパソコンと同じものを使用するため、既存の資産をそのまま継承できます。
各方式の比較表
導入コスト、ランニングコスト、セキュリティ、故障率、ネットワークへ負荷、ユーザビリティ、省スペース性を比較します。
関連サイト
NEC
クライアント統合ソリューションとして、業務内容、利用形態に応じて柔軟なシンクライアントシステムを提供しています。
富士通
システム構築のほか、セキュアなモバイル接続環境の構築、認証強化システムの構築などのサービスも、各種用意。
日立エイチ・ビー・エム
「FLORA Se210」と認証サーバや暗号化通信機能をセットにしたサービスでASPを活用し、システム構築の手間を解消します。